顧客中心主義

単一チームのプロダクトでは、顧客価値ベースのチームを組織することや、顧客を中心におくことはシンプルで明快です。
しかし、チームが増えれば増えるほど、個々のチームは巨大な開発マシーンの部品になってしまいます。映画「モダン・タイムス」のチャーリー・チャップリンのように、一人一人の仕事はネジを回すだけになり、顧客がプロダクトをどう使うのかに思いを巡らすことがなくなってしまいます。大規模なグループでは、何故顧客がプロダクトに対価を支払うのか知らずにコードを作る人々を目にすることになります。

そこでLeSSは、いかにして顧客視点を維持しながら規模拡大を行うか、に挑戦します。LeSSのテーマは、構造と実践を通じて、顧客とのつながりを思い出させる要素です。顧客満足なしにビジネスを行うことは出来ません。さらに言えば、関わるすべての人が実際に顧客と接点を持ち、顧客のことを考えることができれば、なお良いです。LeSSはこの視点に立ちます。

どうやって?

  • コンポーネントチームよりも、顧客中心のフィーチャをエンドツーエンドで創出できる フィーチャチーム にフォーカスします。
  • 管理上、分割が必要なほど巨大なグループでは、LeSS Huge フレームワークがチームを、(機能的な観点ではなく、)顧客領域に従って分割します。
  • LeSSのプロダクトオーナーは 顧客/ユーザと チームの 接点 となります。中継役にはなりません。
  • (プロダクトオーナーではなく)チームが、顧客/ユーザと一緒に 詳細な分析やリファインメントを行います。
  • チームがリファインメント作業の大半を実施するので、プロダクトオーナーは顧客と向き合うためにより多くの時間を確保できます。
  • 1つのバックログをすべてのチームで共有し、継続的に優先順位を見直すので、システム全体が顧客へ提供されるもののために最適化されます。